【RPA導入】失敗しないための5つのポイント

新しいシステムを導入したものの、コストが掛かっただけで思ったような効果は得られずかえって現場に混乱をきたしただけだった。 そのような苦い経験から「RPA導入に興味があるが、失敗したら……という不安がぬぐい切れない」そう考えている経営者や役員の方は多いでしょう。 ここでは、失敗を回避しスムーズにRPA導入を行うために押さえるべき5つのポイントをご紹介します。

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目次

  1. 1.従業員を巻き込める導入目的を設定する
  2. 2.現場で操作できるイメージがつくツールを選ぶ
  3. 3.業務分析を徹底し、自動化する業務を洗い出す
  4. 4. 現場主導で進めるためにヒアリングを行う
  5. 5. 最適なメンバーを集めて運用管理体制を整える
  6. まとめ

1.従業員を巻き込める導入目的を設定する

RPAに限らず、新しいシステムを導入する際にありがちな失敗として、目的の設定ミスがあります。マネジメント層の方々が新システム導入の旗振り役である場合、業務の効率化やとりあえずツールを導入してみることを目的として設定し周知することが多いです。しかし、実際にツールを使うのは現場の社員であり、経営陣の目線から見た導入意義は実感を持って伝わらないことがほとんど。そのため、前述のような目的を設定してもその重要性が理解されず、結果ほとんど活用されないというケースが起こりがちなのが実際のところです。

そこで意識すべきなのが、「従業員を巻き込める目的を設定する」ということ。従業員がワクワクする目的と言い換えても良いかもしれません。例えば、RPAの目的を「残業時間を減らすこと」と設定したとしましょう。その目的は従業員にとってプライベートが充実させられるというメリットに直結するものであり、当事者意識を持って取り組ませられる可能性が高まります。ほかに、「ロボット化についての知識やスキルを身に付ける」という目的を設定すれば、従業員は今後の労働環境でニーズの高まりが予想されるITスキルが身に付けられると考え、積極的に取り組みます。

いずれにせよ、従業員目線で目的を設定し、周知することがRPA導入を軌道に乗せるための最初の一歩といえるでしょう。

他社でよくある失敗ケース:RPAの導入を目的としてしまい失敗

とある建設会社の取締役Hさんは、とりあえず使ってみて効果を確かめてみるよう伝え、RPA導入を行いました。しかし、現場に導入の意義が伝わらなかったため、実際はほとんど活用されないまま、「あまり効果は見込めなかった」という報告が上がってくることになりました。
「残業を減らす」などわかりやすい目的を設定すれば、「繁忙期の事務作業に導入しよう」「どの作業時間を減らしたいか意見を募ろう」など現場から自発的に導入に向けての動きが起こったはずです。目的の設定ミスで人を巻き込めず失敗してしまったケースといえるでしょう。

2.現場で操作できるイメージがつくツールを選ぶ

RPAツールには、情報システムに精通した上級者向けのものから、ほとんどITに触れたことがない初心者でも取り扱えるものまでさまざまな種類があります。そのツール選びの際よくある失敗は、社内のシステム担当者では扱いかねる上級者向けのツールを導入してしまい、結果十分に活用できないというものです。
自社内で操作できなくても外部に導入を委託すれば良いのではないか、と思う方もいるでしょう。しかし、RPA導入では現場の業務を理解し、どの業務がRPA向きでどの業務がRPA向きではないのか峻別することが不可欠です。そこまで外部に委託すると、コンサル料など当初想像できなかったコストがかかることもしばしば。また、その後の保守運用も外部のエンジニアに依存することになってしまいます。

RPAツールを自社の現場に導入する場合は、その現場で操作できるイメージがつくツールを選ぶことをおすすめします。ツール選びの際、デモ操作を行ったり解説動画を見たりする機会があります。その際、不自由なく扱えそうか、現場のITリテラシーと照らし合わせてレベル感を判断しましょう。現場で業務を知っている人間がRPAツールを操作してロボット化も行えるのがベストです。

現場向けのRPAツールとしては、例えば「Robo-Pat」が挙げられます。プログラミングの知識が乏しくても簡単にロボ化が可能なのがこのソフトウェアの特徴です。もちろん社内にエンジニアが複数いる環境であれば、「WinActor」のようにやや高度なツールを導入しても良いでしょう。

他社でよくある失敗ケース:外部への導入委託を前提として失敗

人材派遣会社の常務であるGさんは、将来的には他ツールと組み合わせての顧客管理や問い合わせ対応を行わせたかったため、外注を前提に高度なソフトウェアを導入しました。その結果、社内業務のリスト化や評価も実際にRPA操作を行う外注に依頼することになり、予算を上回る費用を請求されることになってしまいました。
まずは社内で操作できるレベルのRPAツールを導入し、徐々にRPAの使い方を社内に浸透させていけば、外注業者に依頼するまでもなく業務のリスト化や評価が行えたでしょう。手の付けやすい業務から小さくスタートすることが、RPA導入の鉄則です。

3.業務分析を徹底し、自動化する業務を洗い出す

RPAツールを選んだら、次に必要なのが自動化する業務の選定です。請求書データ入力作業の代行、顧客情報の更新、販売データの分析……RPAに代行させたい業務は山積しているでしょう。しかし、どの作業が自動化に適しているかを見極めず、やみくもにRPAを導入してしまうと、思ったような効果が得られないという事態が起こり得ます。「保険業界の顧客データ入力」「小売業界の販売状況調査」など、同じ業界の同じような作業が自動化された例を見てRPA導入を決意した場合、同様の業務にソフトを導入すれば成功すると誤解されがち。しかし、同じ業界・業務でもフローや扱うデータの内容が違えばRPAとの相性も異なります。

自社のどの業務がRPAに適しているかを共通の評価指標を用いて洗い出す作業が実際にRPAを導入する段階では不可欠です。先に何を自動化して何を自動化しないかのルールをつくってしまえば、ほかの業務に手を広げる場合もスムーズに導入を進めることができるでしょう。そのため、最初は小規模な業務にRPAを導入し、その結果と現場の声を踏まえてどんどん導入の指標をブラッシュアップしていくのがおすすめです。最初から全てを自動化しようとすると、なかなか導入を進めることができず、結果が出るまで時間がかかったり、途中で問題が見つかって全てのプロジェクトが頓挫してしまったりする可能性があります。

他社でよくある失敗ケース:不十分な理解で自動化する業務を選んで失敗

大手証券会社の管理職であるAさんは、同業他社であるG社がRPA導入によって顧客データの統合・集計にかかるコストを大幅に軽減したことを耳にし、同様のシステムを自社でも完成させようと考えました。さっそくツールを選んだ後は、顧客データ分析の担当者にRPAの導入を指示。しかし、数カ月後、現場から帰ってきた反応はRPAを導入したせいでかえって業務が増えたというものでした。実は、G社がRPAに統合・集計させていたデータはWeb上で入力された定型データでしたが、Aさんの会社のデータは非定型かつ分析が必要な内容だったのです。
似たような業務であっても、RPAの適性は異なる場合もしばしば。他社の事例を鵜呑みにせず、自社の場合はどうか確かな指標を元に分析する必要があります。

4. 現場主導で進めるためにヒアリングを行う

ここまでですでに述べた通り、RPA導入を進めるためには現場を巻き込むことが不可欠です。しかし、RPAを導入する業務を選定したり、RPA導入プロジェクトにメンバーを集めたりする際、どのように声がけを行うかが重要であることは意外と知られていないようです。例えば「生産性向上のためにRPAを導入したいので候補となる業務を挙げてください/プロジェクトメンバーとして参加してください」という文言で声がけを行うのはNG。ITに詳しくない社員はその文言だけで苦手意識を持ってしまったり、自分の業務が効率化のために奪われるのではないかと警戒したりすることがあります。

このような場合は、「今までやりたかったけれどやれなかった仕事はないですか?」「面倒や手間がかかっている業務は何ですか?」とヒアリングを行うのがベストです。あくまで現場の問題を解決するという姿勢を見せることで、現場からは積極的に意見が出やすくなります。また、自発的に報告した課題を解消する手段としてRPAを与えることで、現場の社員がRPA導入プロジェクトのメンバーとして積極的に取り組んでくれるようになるのです。

定型/複雑、個別/共通など、業務の内容によってRPAとの適性は異なります。そのため、最も適する業務から手を付けることが重要。そのためには、業務に精通している現場の社員をいかに巻き込めるかがポイントとなるのです。

他社でよくある失敗ケース:ヒアリングで現場に不安を与えてしまい失敗

メーカーのシステム担当であるHさんはRPA導入のプロジェクトリーダーを任され、まずは社内のどの業務にRPAが適しているのか、ヒアリングすることにしました。しかし、社内掲示板に「生産性向上のためにRPAを導入すべき業務を挙げてください」と載せてもほとんど反応はなし。返答を義務化しても有用な回答は得られませんでした。
現場目線でのヒアリングを行わないと、このように無視されるか警戒される可能性が高まります。「何か時間のかかる面倒な仕事はないですか?」と現場を巻き込める声がけを行いましょう。

5. 最適なメンバーを集めて運用管理体制を整える

RPA導入を、一人で進めることはできません。現場の協力が不可欠です。とはいえ、どのようなメンバーを集めれば良いのか、迷う責任者も少なくありません。せっかく現場のメンバーを加えても、適性が無かったりやる気が見られなかったりすれば、思うように導入は進みませんし、全体の士気が下がることも考えられます。そのため、RPA導入プロジェクトを進める前には、最適なメンバーを集めるための基準を設けておくことが肝要です。

実際にRPAを導入する際、入れるべきメンバーの条件は以下の通りです。

  • 日々の業務処理について理解している人
  • 細かい作業を楽しめる人
  • 業務を改善することで直接的な利益が得られる人

業務処理について理解している人は、RPAをどの業務に導入すべきかの選定において不可欠です。また、ロボ化には定型的な作業を読み込ませるための細かい操作が必要なため、そのような作業にやる気を持って取り組める人材は重宝することになります。さらに、業務を改善すると自分や周りが助かる、という動機があるメンバーは現場主導でプロジェクトを進めるためのカギとなります。

このような現場のメンバーがRPAについての理解を実践の中で深めることで、自分たちだけで改善の仕組みを生み出していけるようになり、こちらが指示せずとも、RPAによる業務の効率化がどんどん進む環境が出来上がるのです。

他社でよくある失敗ケース:現場で改善する仕組みをつくれずに失敗

広告制作会社のITシステム導入担当者のIさんは、RPA導入のため、プロジェクトメンバーを社内で募りました。しかし、手を挙げたのは業務に精通していない若手社員ばかり。ロボ化には現場を知り尽くしたベテラン社員の知見が不可欠なため、実質的にはチームが機能せずそのままRPA導入プロジェクト自体が頓挫してしまいました。
プロジェクトに手を挙げたメンバーが本当に適しているとは限りません。二度手間を防ぐためにも、先に挙げた条件に当てはまる人材を参加させることを、メンバー集めでは重視してください。

まとめ

RPA導入で失敗しないための5つのポイントとそれぞれの失敗パターンのケーススタディをご紹介しました。RPA導入の支援経験を多く持つ弊社のサポートを受ければ、記事に挙げた失敗を回避してRPA導入を成功させられるでしょう。興味がある方はぜひ、スターティアレイズの「RPAソリューション」についてお問い合わせください。

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