RPA導入後に出てくる課題

RPAを導入した後に「運用がうまくいかない」、「自社には合わなかった」といわれる理由はいくつかのパターンに分けられます。まずは課題を明らかにし、社内展開の方法を考えることが重要ですRPA運用に悩む企業が抱えがちな課題は次の通りです。

<課題を抱えるシーン例>
①操作できる人が限られる
②自分たちの部署だけで限られた業務のみの利用となってしまう
③自分の業務を他の人に引き継ぐ
④操作方法の不明点や軽微なRPAのシナリオ修正

企業が抱える上記の課題を解決することが、社内展開の有効な方法といえるでしょう。

他の人にも操作を覚えてもらうためには?

<課題①/操作できる人が限られる>
1つ目の課題を解決するために重要なのは、知識やノウハウを特定個人のものにしないということです。操作できる人が限られる場合、1日に進められる工程に限界が生まれ、担当者が休みの日にはタスクが完全にストップしてしまいます。

このような状況を避けるために、RPAの操作ができる人を複数名育成しなくてはなりません。自社内に「操作できる人が限られる」という状況が生まれているなら、これを解決することを目指しましょう。

他部署にも利用してもらうためには?

<課題②/自分たちの部署だけで限られた業務のみの利用となってしまう>
RPAを導入したら、幅広い領域で活用することが重要です。せっかくの機能も使用者が限定した使い方をしていては、最大のパフォーマンスを発揮することはできません。1つの部署でRPAの効果を実感したら、次のステップとして社内で共有する必要があります。

RPAによってどんな業務のなにが解消され、どのくらいの時間が削減されたのか。どういった領域のタスクなら同じように対応できそうかを他部署に向けて発信することで、社内展開を促進することができるでしょう。RPAは下記のような業務に当てはまりやすいという特性があります。

<RPAを活用しやすい業務の特性>
・ルール化ができる業務
・定期的に発生する業務
・反復して作業する業務
・PC上で完結する業務 など

業務を引き継いでもらうことになったら?

<課題③/自分の業務を他の人に引き継ぐ>
RPAに限らず、業務の引き継ぎは仕事の効率を下げてしまうものです。その理由はだれもが自分の手から離れていく仕事に対して熱心になれないものだからです。この課題を解決するために重要なのは、業務の引き継ぎが決まる前に汎用性のある資料やマニュアルを作成し、ストックするということです。

RPAに関わる業務については現在の担当者の持っている知識が、次の担当者にうまく開示されるかどうかがポイントになります。引き継ぎの段階で業務が集中しないように、日頃からノウハウの言語化と文書化を推進しましょう。

具体的な内容としては、各ロボットの監視ルーティンとライセンス管理、更新状況を整理・共有できれば、担当者変更に慌てることはありません。

作成したシナリオを変更するには?

<課題④/操作方法の不明点や軽微なRPAのシナリオ修正>
RPAを社内で運用する際、そのすべてを少数の担当者が行わなければならないわけではありません。特にRPAに設定されたシナリオを変更するためには、日々の運用業務とは異なるタスクが発生します。そのなかにはマニュアルやWeb上の情報を参照しても対処できないこともあるでしょう。

そのような際にはあまり時間をかけすぎないうちに、導入システム・サービスの代理店のサポートを活用すべきです。業務効率化のために導入したRPAのメンテナンスに時間を取られることになっては本末転倒です。行き詰って放置してしまう前に専門家に相談し、支援を受けることは決して恥ずかしいことではありません。

まとめ

今回の記事はRPAを社内展開する方法についてまとめました。新たなシステムを導入・運用するということは多くの企業にとって容易なことではありません。特にRPAはまだまだ社内に浸透し始めたものであり、社内のだれもが豊富な知識を持っているわけではないという難しさもあります。

一方で現在導入しているRPAは、まだまだ最大のパフォーマンスを発揮できていない可能性もあります。RPAを社内でうまく展開できれば、さらなる業務の効率化や稼働時間の削減につながるはずです。

まずは自社が抱える課題や期待に達していないと感じる要因を明らかにし、1つ1つ対処していくことで、RPAの機能を最大化することが重要です。