業務効率化に目を向けると多くの課題が見えた
200円の中古本に記されていた「悪い例」に自社の業務フローが多数該当、危機感を抱く
1948年の創業以来、世界各国の外国人客を多く迎え入れ、質の高いサービスを提供し続ける芝パークホテル。宿泊施設のほかにも、中華やステーキレストランなど、ハイクラスなレストランを展開している。
今回、同社の経理課で「Robo-Pat」の導入を決定。明確な課題が見つかっていたわけではなかったものの、働き方改革の流れを受けて「業務の効率化」に着目する。
「業務の効率化と言っても、これまで自分たちが当たり前のようにやってきた業務に無駄があるとは思っていませんでした。そこで、経理の業務効率化の本を買おうと思い探したところ、2004年に出版された200円の中古本が1冊だけ見つかりました。その本に載っていた悪い事例(こんなことをやっている経理はダメだ)が、当社の運用方法にことごとく当てはまっていたのです。例えば、毎日大量の現金を手で数える、それを頻繁に銀行に持っていくetc。毎日やる必要がない、手でやる必要がない業務がたくさん見つかりました」(高田氏)
このことを受け、現状の業務フローに改善の余地が大いにあることに気づき、危機感を抱く。ひとつひとつIT化を進めていき、無駄な業務を削減させていく中で、たまたま目にした新聞で、RPAツールが経理の定型業務を自動化することに向いているということを知り、導入検討を開始する。
決め手は、知識がなくてもすぐ理解・習得できた操作性
「簡単」と聞いていた製品は想像以上に操作の難易度が高く、習得に苦戦
RPAツールを選定するにあたり、同社が条件としていたことは、「スモールスタートができること」、「日本語で設定が行えること」、「ロボ作成が簡単で使いやすいこと」の大きく3点だ。
「RPAツールを決める上で最も重要だったことは“自分が使いこなせるかどうか”です。当社には情報システム部門がないため、自分がロボを作るという選択肢しかありませんでした」(高田氏)
しかし、9割方導入を決めていた他社製品の1日研修に参加し実際にロボを作成したところ、研修にまったくついていけず、使えないという事態に。重要視していた条件が満たせず、決断しかねる状況の中、スターティアレイズの営業担当から「Robo-Pat」の紹介を受け、実際に操作を体験する。
「「Robo-Pat」は、エンター、クリックなどのシンプルな操作でロボを作ることが可能で、1時間程度の説明を受ければある程度形になるものができました。パソコンが得意じゃない私でも理解しやすく、私から他部署の社員に教えたときもみんなすぐに覚えていました。何より完成させることができると楽しいです。もっとロボを自分で作ってみようという気持ちになりました。また、当初検討していた製品はどこのベンダーさんも簡単ですと言っていたのですが、当社には難しいと言ったのはスターティアレイズの担当さんだけでした。今となれば、はっきりそう言っていただいてよかったと思っています」(高田氏)
その後、1ヵ月のトライアルを経て本格的な導入が決定した。
ロボ1つの作成で月間22時間の工数削減に成功
部署のメンバーも業務効率化への意識が高まる
同社は導入2ヵ月で計4つのロボを作成し、業務の自動化を進めている。そのうちのひとつ、「日別売上データの収集業務」では下記の作業を自動で行えるように設定した。
①売上金管理システムに登録されている額と、現金徴収額に差異がないか、すべての施設・宴会場のデータを照合
②売上の内訳をエクセルの管理表に転記
これまでは転記作業をすべて手作業で行っていたため、毎日1時間程要していたが、RPAツールでの自動化により工数がゼロに。月間で22時間の工数削減に成功した。
「RPAは、壮大なものを作ろうとするのではなく、数分単位削減できるものを積み重ねていく意識をもつことが大切だと考えています」(高田氏)
また、業務の自動化を進めていくうちに、部署のメンバーの意識にも変化が見られるようになった。
「メンバーからこの業務は必要ですか?と意見が出るようになりました。業務を自動化する以前に、それが必要のない業務なのであればフローから無くせることがベストです。もっと効率化しよう、という気持ちがメンバーから自発的に出てきたことは良い傾向だと思います」(高田氏)
削減した時間で業務を巻き取り会社のサービス向上に繋げたい
自部署にとどまらず、会社の成長を見据えた展望
経理課でスモールスタートし、ゆくゆくは全社的に広めていきたいと話す同社。自部署のみならず、会社の発展を視野に入れた大きな展望を次のように語った。
「本社から離れた場所に位置するレストランでは、支払い業務や売掛業務などの経理周りの業務も各店舗で行っているという現状があります。RPAツールの導入によって、経理課が時間の捻出に成功したら、それらの業務を巻き取り、現場の方々が本業に集中できる環境を整えたいです。そのことが最終的に、当社のサービス向上に繋げることができたら嬉しく思います」(高田氏)