RPAを導入したきっかけ
ー比較サイトをご覧になって弊社にお問い合わせいただきましたが、詳しい理由を教えてください。
弊社はまもなく創業30年を迎えますが、組織が変わったり、業績が拡大したりしていくなかで、オペレーションが複雑化してきました。既存のシステムには属人的なものが多分にあると方々の部署で感じていたため、可能なものは自動化して効率を上げていきたいと考え、問い合わせをしました。
ーRPAを取り扱う企業はたくさんありますが、弊社を選んだ理由はどこにあるのでしょうか。
Robo-Patはビジュアル的にも良く、簡単に作れそうだと感じました。他社のロボットは制作の難度が高いと感じていたので、Robo-Patでいこうと決めたのです。トライアル開始前に従業員が触る機会を設けたことで、どの業務をRPA化するのかを判断でき、トライアル開始時はほぼRobo-Patの導入が決まっていました。スターティアレイズの担当者が何度も来社して導入支援してくれたことも大きな決め手でした。
ー弊社による導入支援は具体的にどのように行われましたか。
オンラインで質問することもできたのですが、実際にご来社くださったときに、操作を一緒に進めながらバックアップしていただいたので、すごくスムーズでした。次に来ていただくまでの間に確認ポイントをためて、次のご来社時に不明点をクリアにして、という繰り返しの中で操作に慣れていきRPAを理解できました。勉強会というよりも、本当に困ったところをピンポイントで教えていただくスタイルでありがたかったです。
RPAの導入方法
ー最初にRPAを扱うメンバーはどのように決めたのでしょうか。
バックオフィス系のオペレーションを熟知している人間を中心に3名選定し、各自の業務周りをRPAでこなすようにしてほしいと頼みました。最初はロボを作る人と使う人に分けるイメージをしていましたが、さほど知識がない人でも作れそうだったので裾野を広げました。
ーこれまでにどれくらいのロボットを制作されましたか。
本社とロジスティクスを入れると100本以上制作しています。ただ、すべてのロボが毎日動いているわけではなく、月曜日だけ動くスクリプトや月2で動くスクリプトもあります。稼働登録されているもの全体が100程度です。
ーたくさんのロボットを作られたなかで、大変なことはありましたか。
最初のスクリプト作成が一番大変でしたね。逆にスクリプトができれば、コピーで使えるロボをどんどん増やせるようになりました。現在RPAで対応できそうな業務があれば、まずはロボを試作するようにしています。
ー具体的にはどの業務にRPAを取り入れていますか。
ルーティン業務が主体です。お客様の受注をERP(基幹システム)に取り込んで、それをWMS(倉庫管理システム)に送るという一連の作業がメインとなっています。あとは発注書のチェックにも、RPAを使っています。フォルダを確認させて、そこに残っているPDFファイルを書き出してチャットで送るなど、日々の業務をRPAに代行してもらうようになりました。これまでは自分で毎日確認していた情報をRPAが知らせてくれるため、楽になりました。
最近はリモートワークが増えていて、電話対応を当番制にしているのですが、その当番表もRPAに出してもらっています。毎朝スプレッドシートを見に行く必要がなくなって、チャットに飛んでくるので送り忘れや見忘れもありません。
また、毎週月曜日に伝票300枚分をひとつずつ上げていく作業があります。人が行うと通常15~30分程度かかるこの作業も、RPAが受注番号のデータをフォルダに上げてくれるので非常に助かっています。
会社全体で見ると、1日で12時間相当の作業時間を短縮できました。
ロボの稼働総時間(2021年2月時点)
1日あたり290分相当のロボの稼働
↓(※人間が作業すると2.5倍相当の時間がかかる)
725分相当の働き
12時間相当の業務をRobo-Padがこなしている
RPA導入後の社内の変化
ーRPAを導入されてから、社内ではどのような変化が見られましたか。
RPAの効果が出始め、社内の認知が広まったことで、これまでほとんどロボットに触れたことがない人から「やってみたい」と、声をかけられるようになりました。ただ、今は知識のある社内の人間が我流で教えているので、質問に対応できないことはありますね。それも同じレベルの会話ができる人が増えていけば、どんどん相乗効果が生まれて、ロボットを取り扱える人材がより一層増えていくのではと考えています。
ー業務の効率化や時間の短縮以外に感じた効果はありますか。
時間に遅れると、データを渡さなければならない他の事業部にも支障が出てしまうのです。それもRPAを導入したことで遅延の心配がなくなり、精神的な負担が軽くなりました。一度RPAに慣れたら、もう以前の体制には戻れないと感じています。
効果とは少し違いますが、ロボの制作自体に楽しさを見出している従業員も存在します。完成したロボが動くことに大きな喜びを感じているようで、そういう人はロボ制作に向いているのだろうなと思います。
現在の契約体制とAI-OCRの導入
ー現在貴社はフル機能版ライセンスをひとつと実行版ライセンスをふたつ、ご契約いただいていますが、普段はどなたがどのように管理されていますか。
フル機能版はみんなで使うことを考えて、重複しないように設備予約をしてリモートで入れるようにしています。作成したロボは実行版の方に移しており、時間が来たらロボが実行するようにさせています。ロボを動かすときは、混みやすい時間帯が存在するので、なるべく混まない時間帯にジョブを移動してもらったり、逆に安定して動くものを夜中に持っていったりして工夫しています。
ロジスティクスに関しては、タイムスケジュールを組めない業務も多く、実行を自分のタイミングでできるようにするため、専用の実行版ライセンスを使ってもらっています。
ーAI-OCRについてもお伺いしたいのですが、いつ導入を検討されましたか。使い方についても教えてください。
RPAがある程度定着してからAI-OCRも導入しようという話になりました。現在はPDF化されて、たまった注文書が特定のフォルダに仕分けられていくようにしています。今まで手打ちでJANコードなどを入力していたのですが、AI-OCRに任せるようになったことでミスがなくなりました。ただ、発注書のフォーマットは取引先によって異なるため、対応できるようにアップデートを続けているところです。
RPAの展望とメッセージ
ーRPAの課題と今後の展望について教えてください。
RPAの課題はふたつあります。ひとつは、業務改善の必要性。RPAで業務改善をした後に「別にロボットを作らなくてもよかったのでは」と思うことがあるのです。考える前に、とにかくロボットを作るという流れに今はなっていますが、もう少しシンプルな運用にしたらより良いスクリプトができるのではないかと考えています。その点を考慮して、今後は業務改善とロボ制作を一緒に進めていきたいですね。
あとはオペレーションを理解している人間がいる部署と、そうではない部署で差が出ているところですね。その差を埋めていきたいと思います。
ー最後にメッセージをお願いします。
RPAとAI-OCRを導入した理由にはいくつかありますが、最後は営業担当者が決め手になりました。スターティアレイズの担当者はいつも真摯かつ親身に対応してくれるので、本当に助かっています。これからもよろしくお願いします。