手間のかかる作業。ケアレスミスの心配も
手作業により発生するミスや手間作業の属人化も課題になっていた
同社は自社サイトや複数のモールを通じて馬刺しの通販事業を展開しており、これらの受発注を基幹システムで一括して行っている。
この受注処理業務において、人による単純作業や繰り返し作業が多いこと、それによる人的ミスが多いこと、ナレッジが蓄積できず、属人化してしまっていることが大きな課題となっていた。
「クリックを数回するだけの作業等、そもそも人がやる必要があるのか?という作業も業務フローの中に多く残っていました。それによるケアレスミスも頻発していて、頭を悩ませていました。また、受注処理業務をパートの方がメインで行っていたこともあり、ナレッジの蓄積がうまくできていませんでした。そのため、人によってやり方が違っていたり、言っていることが違う等の弊害が起こってしまっていました。」(田尻氏)
“業務の棚卸し”が自動化導入のきっかけに
ロボパット導入の決め手は誰でも操作できる「簡単さ」
まずは課題のひとつとなっていた「受注処理業務の属人化」を解決するため、業務マニュアルを作成することになった。マニュアル化の過程で業務の棚卸しを行い、受注から出荷までの一連の作業を可視化したところ、自動化できる作業が多いことに気が付いたという。これがRPAの導入検討へと繋がっていった。
「導入をする前に、受注作業のところでのマニュアルを作成する機会があり業務の棚卸をして、受注から出荷までの一連の作業を可視化したんです。その結果、実は人が判断しなければいけない業務は少ないのでは?自動化できる業務が意外と多いのでは?ということに気づき、自動化の手段を色々と調べてRPAに辿り着きました。」(田尻氏)
様々なRPAツールがある中で、今回ロボパットを選んだ一番の理由は、ロボを作るのが簡単だった点だ。プログラミングの知識が無くても操作方法を伝えれば誰でもロボを作ることができるため、他のRPAツールより導入のハードルが低かった。
「一番重要なのは、RPAを社内に浸透させることだと思います。そのため、プログラミング等のIT知識を持っていない従業員でも苦手意識を持たずに触ることができるという点は重視しました。ロボパットを選んだ一番の理由は誰でも操作できる簡単さです。」(田尻氏)
手間が減り作業がスムーズにミスや作業忘れの心配もなし
受発注業務にRPAを導入お客様へのレスポンスも早くなった
現在は受発注業務を中心に約10個のロボが稼働している。API連携で取り込めない注文はcsvでの取り込みとなるため、毎日対象のページにログインして注文データをダウンロード、基幹システムに取り込む、という作業が発生する。現在は、この一連の作業をロボで一括処理している。また、商品発送後には出荷報告作業が各モール毎に発生するが、ここでもそれぞれにロボを作成し、毎日決まった時間に起動するようにしている。
RPAの導入により、毎日5分かかっていた受注処理作業がゼロになった。それだけでなく、その作業を自動化したことで、休みの際にも自動で処理が進むため、お客様へレスポンスが早くなった。また出荷報告作業も、毎日夕方に10分かけていた作業がゼロになった。自動で処理されるため、出荷報告作業忘れもなく、管理工数や心理的な負担も軽減された。さらに発注書の作成もできるようになり、全体の作業がスムーズになったという。
「現在は受発注業務を中心に約10個のロボが稼働しています。ロボ作りに少し苦戦した業務もありましたが、比較的スムーズに作成でき、運用にのせることができました。作業工数がゼロになったことだけでなく、お客様へのレスポンスが早くなったり、抜け漏れがなくなったり、最短工数で発送ができたりと、様々な点で効率化や生産性の向上が実現できました。」 (田尻氏)
社員全員のRPA活用で他業務も効率化
RPAを浸透させ単純作業からクリエイティブな仕事へ
現在は自部門の受発注業務を中心にロボを稼働させているが、今後は他部門にもRPAを活用してもらい、他部門で行っている業務を、その部門の担当者が自動化し、ゆくゆくは社員全員がRPAを活用できる状態にまでもっていきたいという構想を掲げている。
「今後の展望としては、受発注業務だけでなく、各部署で行っている数値の集計業務などを各部署の担当者が自分でロボを作成し、自動化や効率化を勧められるようにしていきたいと思っています。ゆくゆくは社内の全員がRPAを活用して、単調作業にあてていた時間をクリエイティブの時間に転用できるようにしていきたいです。」(田尻氏)