全社でBPM活動、業務改善に取り組んでいた
まずは経理業務を効率化。情報収集する中でRPAと出会う
同社では経営陣の方針で、約2年前から全社的にBPM(ビジネスプロセスマネジメント)活動に取組んでおり、中でも経理業務の効率化が課題となっていた。
「ITの活用やマーケティングの強化を通じた生産性向上は弊社の経営層が今一番重要視しているところで、ここを推し進めないと、これからの市場環境で生き残れないと強い危機感を持っています。最初は、経理業務を改善しようという役員の発信で始まりました。」(太田氏)
こうしたBPM推進に関する様々な活動の中、展示会でRPAに出会った。
自己改善型の組織を作るため、「RPA委員会」を設立
操作とサポートの優位性でRobo-Patを選ぶ
最終ゴールであるBPM達成のためには、自分たちでデジタルレイバーを作り、主体的に業務改善を進められる自己改善型の組織作りが欠かせない。このため同社では、RPA導入の前に社内で「RPA委員会」を設立し、メンバーを教育するところから始めた。
教育後はテストを実施し、メンバー全員がテストで100点を取るまで教育を繰り返し行った。こうした徹底した教育により、専門用語への拒否反応が無くなり、RPA導入にスムーズに進むことができたという。
またメンバーは全国各拠点から選出し、人事評価にも直結させる仕組みを作るなど、今後のRPA全社展開を見据え工夫も凝らした。
「全社に展開するときにどうしてもやっぱり離れた拠点が手薄になるんですよね。それで、今のRPA委員会のメンバーはロボットの先生になってほしい、トレーナーになってほしいというふうに思っていまして。なのでキーとなる人間を各地に配置して、充分じゃないかもしれないですけど、その人たちを中心に波及みたいな感じでやっていました。最初は変数なんて言ってても、みんな抵抗がありました。ですが今では変数がどうしてああして、フォルダパスがこうだから、とか当たり前に会話ができています。 」 (太田氏)
RPA導入時には5製品を比較し、Robo-Patを含む2製品ではトライアルも行った。これらの中から最終的にRobo-Patを選んだ決め手は「操作」と「サポート」の優位性だという。
「自己改善型の組織づくりっていう話になると、やっぱり現場の人間にそのロボットを作ってもらわないといけない。なので、そのインターフェースというところにこだわりました。スターティアレイズの方って営業なんですけどロボパットの講師でもいらっしゃる。いろいろ質問や相談にも乗ってもらいながら、 (スターティアレイズの方と)話し合ってやっていったほうが結果出るんだろうなと思ったところが決め手ですね。」(太田氏)
RPAを活用したBPMで400~450時間を削減
基幹システムや売上げ見込み報告など毎月の作業、毎朝の作業をロボ化
同社ではすでに20個ほどのロボを作成しており、中でも、Excelと基幹システムの連携や、売上見込み報告の確認でロボが活躍している。
「例えばホームページのほうに問い合わせがあったら、こういった一連の作業しますよというルーティーンがあるんですけど、そういったものを自動化しました。またレンタル業なので、例えばものを買う・毎月同じものをレンタルするといった、毎月同じ作業があります。そういったものを、今までは人の手で基幹システムに入力していましたが、Excelで管理したものをそのままロボットに入力させて、人間は一元的に一覧表で管理するようにしました。」 (太田氏)
売上見込み報告の確認では、ロボ化により朝の貴重な時間を確保できたことで、実際の短縮時間以上の効果を実感している。
「毎日売り上げ金額を確認をするという業務があり、確認する前にVBAが2~3分走るんですね。朝来て走らせて、2~3分待って金額を確かめて、というステップでしたが、これをロボ化しました。朝の8時半にロボットを動かし、朝来てメールを見たら数字が出てるんですね。それですぐに確認して大丈夫となったら、次の業務に進めるので。多分賞味一日朝10分ちょっとは言い過ぎかもしれないですけど、それぐらいは削減できています。毎日10分なので大きいですよね。しかも朝の10分。」(山重氏)
RPA導入の結果、BPM活動全体ですでに400~450時間を削減した。
“RPA48”の活躍で年18,000時間の削減へ
入社3年目の若手社員もロボを自作。主体的な業務改善を全社に
BPM活動では最終的に全社で年間18,000時間の削減を目指しており、これにはRPAの浸透が欠かせない。
当初より全社展開を見据えて「RPA委員会」メンバーを選出、教育した結果、メンバーは各拠点でモチベーション高く活動しており、すでに主体的な業務改善が活発化しつつある。
ある拠点では、入社3年目の若手女子社員が業務の棚卸を行い、自動化業務を選定、自らロボを作成した。ロボ作成の際には、業務時間内では難しいと判断、朝活でロボを完成させたという。完成後は役員や全社員にロボを発表することでモチベーションも上がり、全部門への展開と次の業務自動化に向けて邁進中だ。
今後も教育に力を入れ、RPA全社展開の本格化を目指す。
「RPAを作れるメンバー、トレーナーを、3名は育てたい。そうなったら全社にうまく波及していくんじゃないかと考えています。」 (太田氏)
また48のロボで業務効率化を達成する、“RPA48”というユニークなキャッチフレーズも掲げ、BPM活動を積極的に進めている。
「単なるロボットっていうのは本当に試作品もロボットだと思っていて、デジタルレイバー化することによって実際にその業務を圧縮すると。なので我々はデジタルレイバーって言葉にこだわりたいと思っています。何の根拠もない、本当にゴロ合わせですが、デジタルレイバーを48体作れば、大体18,000時間ぐらい削減できると思っています。」 (太田氏)