たかが名刺管理、されど名刺管理。近年では「営業効率の改善」という観点から、名刺管理に注目が集まっています。
名刺管理方法には、従来型の名刺ホルダーや名刺ボックスによるアナログな管理方法と、スキャナや名刺管理アプリを利用したデジタルな管理方法がありますが、今回はその両方の名刺管理方法を徹底比較したいと思います。
- 公開日:
- カテゴリー:
- 知識
たかが名刺管理、されど名刺管理。近年では「営業効率の改善」という観点から、名刺管理に注目が集まっています。
名刺管理方法には、従来型の名刺ホルダーや名刺ボックスによるアナログな管理方法と、スキャナや名刺管理アプリを利用したデジタルな管理方法がありますが、今回はその両方の名刺管理方法を徹底比較したいと思います。
「名刺管理が苦手」という人も多いかと思いますが、名刺を適切に整理・保管することで業務効率を改善できます。また、名刺を組織全体で共有できる仕組みを構築すれば、営業対象や営業ルートの選択肢が大幅に増えます。まずは名刺管理における課題を個人レベル、組織レベルに分けて解説します。
名刺の整理を怠ると、必要なときに連絡先を探すのに時間がかかってしまったり、最悪の場合紛失してしまうリスクがあります。また紙の状態のままでは、外出先から連絡先を確認したいときに不便です。名刺管理は日常的に行うこと、インデックスを工夫したり、データ化したりすることで検索性を高めることが重要です。
【個人編】名刺管理の課題
組織レベルになると、社員の持っている名刺は貴重な顧客情報のデータベースです。社員が保有している名刺を組織で一元管理することで、営業効率の向上に役立ちます。
【組織編】名刺管理の課題
一言で「名刺管理」と言ってもさまざまな方法があります。手軽なアナログ管理、一元管理に便利なデジタル管理に分け、それぞれの名刺管理方法のメリットとデメリットを一覧表にしました。
アナログ名刺管理の最大のメリットは手軽でコストがかからないこと。個人レベルでの名刺管理ならアナログな方法でも十分でしょう。名刺を整理する際は会社名の50音順、名刺交換した時系列順、利用頻度順、業種別など一定の法則を決め、インデックスを工夫することで検索性も高まります。
名刺ホルダーはもっとも一般的でシンプルな管理方法といえます。名刺ホルダーの種類を大別すると「ファイル」「バインダー」「回転式」の3つに分かれます。
ファイルは100円均一でも手に入り、管理方法も名刺をポケットに入れるだけという手軽さが魅力です。情報の追加や順番の入れ替えが難しいため、「基本的に時系列で管理し、利用頻度が高いものだけをピックアップして50音順に並べる」などの工夫が必要です。ポケットサイズの商品であれば持ち歩くこともできます。
ファイルの「情報の追加や順番の入れ替えが難しい」というデメリットをカバーしたのがバインダーです。ポケットに名刺を入れるだけという管理方法はファイルと同じですが、バインダーの場合、ポケットを追加したり順番を入れ替えたりできるので、情報の管理・編集が簡単です。スライドリングが付いているため、ややかさばるのが難点です。
回転式はデスクに置いて片手で名刺を検索できるのが特長で、1台につき400枚程度の名刺をセットできます。持ち歩きには不向きなので、外出することが少ない人に向いています。
名刺ボックスは1台につき600枚~800枚の名刺が保存可能で、引き出しの中にもすっぽり収納できます。あらかじめ50音のインデックスがついている商品もあり、インデックスに従って名刺を差し込むだけという気楽さも魅力です。名刺交換をする機会の多い管理職の方に向いています。
ノートは名刺をテープなどで貼った余白に「いつどこで会い、どんな話をしたか」などメモが書き込めることが最大の特長です。ファイル同様情報の追加や順番の入れ替えが難しい商品ですが、ルーズリーフを使用すればそのデメリットも克服できます。名刺を貼り付ける際は簡単に落ちないように、裏面にも記載がある際は裏面も読めるように貼り方に工夫をしましょう。
名刺の情報を電子化し顧客情報のデータベースとして活用することで、組織の営業効率を格段に向上させることができます。利便性が高まる一方で情報漏えいのリスクも高まるため、どの方法、サービスを利用するか、セキュリティ面からも検討する必要があります。
名刺スキャナーからは、効率よく大量の名刺を登録できる「デスクトップタイプ」や外出先でも利用できる「ポータブルタイプ」の製品が販売されています。やや高価で、読み取り精度に課題があるのが難点ですが、スキャンするだけで名刺の内容をデータ化できる利便性の高さが魅力です。
Sansan株式会社が提供する法人向けサービス「Sansan」や個人向けアプリ「Eight」をはじめとして、「my Bridge」、「Wantedly People」「Evernote」など数多くの名刺管理アプリ(ソフト)が存在します。
これらのアプリは名刺の読み込み方法が「OCR(光学文字認識)」か「オペレーター入力」かに分かれます。OCRはスマホで名刺を撮影するだけで瞬時に情報をデータ化してくれますが、読み取り精度に課題があります(「Wantedly People」のようにAI-OCRで読み取り精度を改善しているものもあります)。オペレーター入力の場合は入力に時間がかかることもありますが、内容の正確さが魅力です。
エクセルで管理する場合、名刺管理フォーマットの自由度が高い点が魅力です。
各自に入力してもらえばコストもかかりませんが、1枚1枚目視で確認しながらデータを入力する作業に手間がかかるため、入力率を100%にすることは難しいでしょう。アウトソーシングしたり、社内に担当者を決めたりすることで一括入力する仕組みを整えれば、効率よく大量の名刺を捌けますが、人件費や外注費がかかります。アウトソーシングの場合は情報漏えいのリスクも高まります。
また、エクセルで管理する際はデータの保管先や共有方法にも気をつけなければなりません。共有サーバーに保存することで共同作業もスムーズになりますが、情報漏えいのリスクに備える必要があります。
電子化による名刺管理には留意すべき点があります。各種ツールを導入する際には既存システムとの親和性や情報管理の安全性の面から検討しましょう。
組織で既にCRM(顧客管理システム)やSFA(営業支援システム)、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールを導入している場合、顧客情報の登録機能が重複してしまうことがあります。同じ作業を二度行うのは業務の効率をかえって下げてしまうため、情報の連携ができるか、csvファイルでデータをインポート/エクスポートできるか確認しましょう。
名刺は活用すべき資産であると同時に守秘義務のある個人情報でもあります。アプリやソフトなど外部サービスを利用する際には、どのようなセキュリティ対策を行っているか確認しましょう。また、エクセルで管理する場合は、データの保管場所やアクセス権限に留意しましょう。
法人向けオンラインストレージのセキュアSAMBAなら、通信内容を暗号化することでデータの盗聴を、IPアドレス制限や端末認証を行うことで不正アクセスを防いでいます。ファイル毎にアクセス権限を細かく設定できるため、データの開示先を必要な社員に絞ることもできるほか、ファイルの操作ログを取得しているので、不審なアクセスや不正行為にも迅速に対応することができます。
個人レベルであれ、組織レベルであれ、名刺管理方法を工夫することで営業効率が飛躍的に改善されます。名刺管理にはさまざまな方法がありますが、名刺管理の目的や費用対効果、安全性の観点から適切な方法を選びましょう。