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業務効率化の手法と事例5選 役立つツールもご紹介
目次
業務効率化の目的とすぐにできる手法
業務効率化にはさまざまなメリットがあります。企業が業務効率化に取り組む目的を確認し、すぐに導入できる手法を5つご紹介します。
コストを削減し、従業員満足度を高める
業務効率化は、経営者と従業員の双方にメリットをもたらします。経営者は従業員の作業時間を短縮することで、人件費を抑えることができます。収益性の低い業務に当てる時間を減らし、収益性の高い業務に当てる時間を増やすことで、会社としての利益を最大化することができます。
一方、従業員は業務効率化により残業時間を減らし、ワークライフバランスを充実させることができます。空いた時間はスキルアップのための勉強に当てることも、リフレッシュのための休息に当てることもできます。業務効率化により子育てや介護に取り組んでいる人が働きやすい環境を実現すれば、人材不足の解消にもつながります。
すぐにできる業務改善(1)5S活動
5S活動とは、職場を整理・整頓することで、仕事の質を高める5つの活動のことです。効率良く仕事を進められる環境を整えることで、ミスやトラブルを防ぎ、業務効率を高めることができます。5S活動の概要は以下の通りです。
- 整理
- 整頓
- 清掃
- 清潔
- しつけ
要るものと不要なものを区別し、不要なものを処分すること。
必要なものを使いやすい場所に配置すること。
職場を掃除してきれいにすること。
整理・整頓された、きれいでわかりやすい状態を維持すること。
ルールや規律の順守を習慣づけること。
すぐにできる業務改善(2)時間管理マトリックスの活用
時間管理マトリックスは、スティーブン・R・コヴィー『7つの習慣』で紹介されたタスクの分類手法です。緊急軸と重要軸により、タスクは「必須」「価値」「錯覚」「無駄」の4つに分類されます。
緊急 | 緊急でない | |
重要 |
第一領域 必須 緊急かつ重要。 締め切りのある作業、 |
第二領域 価値
緊急ではないが重要。 人材育成、自己研鑽など。 |
重要でない |
第三領域 錯覚 緊急だが重要ではない。 重要ではない打ち合わせ、 |
第四領域 無駄
緊急でも重要でもない。 無駄な電話など。 |
自身のタスクがどの領域に当てはまるかを分析した上で、第一領域と第二領域に当てはまるタスクの時間を増やし、第三領域と第四領域に当てはまるタスクの時間を減らすことが、仕事の質を高めることにつながります。とくに第二領域のタスクは後回しにされてしまうことが多いため、意識的に時間を割く必要があります。
すぐにできる業務改善(3)マニュアルの作成・社内文書の標準化
作業をマニュアルにまとめることも業務効率化に役立ちます。誰が見てもわかるように業務内容を整理しておくことで、上司が部下へ指示を出したり、部下が作業の進め方を調べたりする時間を省くことができます。例えば議事録を作成する業務について、記載する項目(会議名、日時、場所、出席者、議題など)やフォーマットなどをまとめておくことで、作業時間を短縮することができます。
すぐにできる業務改善(4)署名や定型文のテンプレート化
文章を作成する際、あいさつ文、地名、人名などの利用頻度の多い文言を単語登録しておくことで、作業時間を短縮することができます。例えば「おはようございます。」という文言を「おは」という読みで登録しておけば、以後は「おは」と入力するだけで「おはようございます。」に変換することができます。
またメールソフトで文面を作成する際は、あらかじめ署名を登録しておくことで入力の手間を減らすことができます。
すぐにできる業務改善(5)CRM・SFAツールの活用
企業活動の効率化を目的に開発されたソフトウェアを導入することで、業務を効率化できることもあります。CRM(Customer Relationship Management)ツールは顧客情報の分析や活用を目的としたソフトウェアで、顧客情報を解析して営業活動を効率化したい場合に役立ちます。SFA(Sales Force Automation)ツールは営業活動の支援を目的としたソフトウェアで、顧客情報を集約してスムーズに共有したい場合に役立ちます。
すぐにできる業務改善(6)アウトソーシングの活用
社内で行っている業務を専門業者に外注することで、業務を効率化できる場合もあります。作業にかかる人件費や経費の合計が、アウトソーシングの料金を上回るときは、外注によりコストを抑えることができます。ただし外注先のスタッフの教育や、成果物の品質チェックに人件費がかかってしまうこともあるため、発注後の作業の流れを細かく確認しておく必要があります。
テクニック別 業務効率化の事例
業務効率化を成功させるには、自社の事業や規模に合った手法を用いることが重要です。さまざまな工夫で業務を効率化し、収益改善に成功した事例をご紹介します。
事例(1)5S活動による無駄とミスの削減
株式会社ロイヤルホテルは、5S活動(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)による作業環境の改善に取り組みました。「5S活動の手順」と題するテキストを作成し、社内への啓蒙を実施。不用品の廃棄、保管場所の番地化、清掃の仕組みづくり、管理責任者の制定、5S会議の定例化などを行いました。その結果、職場環境が整ったことで作業スピードが平均で約17%向上し、従業員満足度も向上しました。
事例(2)マニュアルを作成し業務を分担
第一生命保険株式会社は、部署の統廃合をきっかけにマニュアルを作成し、業務の標準化に取り組みました。マニュアルは未経験者が見ても理解できるように、初心者が経験者から業務を教わりながら、進め方を書き込んでいく形で作成しました。また別の初心者がマニュアルを実際に使い、わかりにくいところを修正することで品質を向上させました。これらの取り組みの結果、統合前よりも少ない人員で業務をこなしながら、年次有給休暇の平均取得日数を増やすことに成功しました。
事例(3)Web会議システムによる移動時間の節約
鳥取県の物品賃貸会社では、Web会議システムの導入により業務の効率化に成功しました。同社では毎週本社で営業会議を開いていましたが、営業所から本社まで往復3時間の距離があり、営業機会の損失を招いていました。そこでWeb会議システムを導入したところ、移動にかかっていた時間を営業活動に当てられるようになり、スピーディかつ細やかな顧客対応が可能になりました。
事例(4)顧客・在庫・帳票管理システムの導入
山形県の中古車販売・整備業会社では、複雑な販売・経営管理に対応するため、顧客管理・在庫管理・帳票作成などを一元的に行うシステムを導入しました。事務処理にかかる時間が短縮されたことで、販売や顧客フォローに注力することが可能になり、顧客満足度を高めることに成功しました。
事例(5)計画的な業務配分による生産性向上
株式会社レデイ薬局では、大型チェーンの進出による競争激化に対応するため、計画的な業務配分による生産性の向上に取り組みました。ボリュームの多い2つの店舗作業を選定し、業務に必要な時間を測定。15分単位で作業指示表を作成し、計画通りに業務を進めるための研修を合わせて実施しました。1年間の取り組みを通して、人件費を8~14%削減することに成功しました。
業務効率化に役立つツール5選
業務効率化にはツールの活用も効果的です。クラウド型のサービスが普及したことで、少ないコストでさまざまな機能を持ったツールを利用できるようになりました。ここでは業務効率化に役立つツールを5つご紹介します。
セキュリティ対策万全のセキュアSAMBA pro
セキュアSAMBA proは、厳しいセキュリティ基準をクリアした法人向けファイルサーバーです。複数の拠点でファイルを共有したり、外出先からファイルを開いたりすることができ、データ管理の手間を大きく減らすことができます。またバージョン履歴管理の機能が搭載されており、誤ってデータを削除してしまった場合も、過去のバージョンを復元することができます。万全のセキュリティ対策が講じられており、ランサムウェアへの感染や機密情報の漏えいなどのリスクを減らすこともできます。
業務を可視化するTrello
視覚的にわかりやすく管理ができるタスク管理ツールです。カードにタスクを書いて登録し、進捗状況に応じてリストを移動することで、カードを設置するボードは複数のメンバーで共有することも可能です。タスクを可視化することで作業忘れやスケジュールの遅れを防ぎ、メンバー同士の連携を円滑に進めることができます。
スケジュール管理に役立つBrabio!
スケジュールとタスクを効率よく管理できるプロジェクト管理ツールです。プロジェクトのタスクをまとめたガントチャートを、Webブラウザ上で簡単に作成することができます。複数のメンバーでプロジェクトを共有したり、Excel形式のガントチャートをダウンロードしたりすることも可能です。スケジュール管理にかかる時間を減らしたい場合に役立ちます。
マニュアル作成ツールTeachme Biz
Teachme Biz(ティーチミー・ビズ)では、写真の撮影、画像編集、テキスト入力を行うだけで、わかりやすいマニュアルを作成することができます。マニュアルはスマートフォンやタブレットでも確認することができ、グループごとに閲覧権限を管理することも可能です。業績の良い社員のノウハウを共有して業務効率を高めたり、新人研修にかかる人件費を減らしたりすることができます。
事務作業効率化のkintone
システム開発の専門知識がなくても、自社に合った業務システムを作成することができる業務改善プラットフォームです。。顧客管理、交通費申請、お弁当注文、セミナー管理など、自社に合った独自の業務システムを導入したい場合に役立ちます。社員のつながりを活性化する社内SNSなど、業務の円滑化に役立つ機能が充実しているのも特徴です。
ツールを見極め業務改善を
今までは従業員が作業して当たり前、だったことも、ツール導入で一気に業務効率化できることがあります。まずは自社の課題を整理し、ツールに頼れる作業がないか、検討から始めてみてはいかがでしょうか。
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