組織の中で働く上で、開始から完了まですべて自分一人で完結する作業はほとんどないと言えるでしょう。その複数の部署や担当者が関係する業務手順を分かりやすく図式化したものがワークフローです。今回はワークフローの作成方法と共に、ワークフローを業務効率改善に役立てる方法ついて解説します。
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組織の中で働く上で、開始から完了まですべて自分一人で完結する作業はほとんどないと言えるでしょう。その複数の部署や担当者が関係する業務手順を分かりやすく図式化したものがワークフローです。今回はワークフローの作成方法と共に、ワークフローを業務効率改善に役立てる方法ついて解説します。
まずはワークフローの概要とメリットについて説明します。
ワークフローとは業務の開始から完了までの一連の流れを図式化したものです。組織で行われる業務には「何の目的で、誰がスタートさせ、誰が判断や処理をし、誰が完了させるのか」という流れがあります。例えば「社内で備品を発注する際には、まずは担当者Aが申請書類を書き、総務部長に承認をもらい、担当者Bがメールにて発注する」といったように、複数人が関わる業務の進め方にあらかじめルールを作って定型化することで業務の進行がスムーズになります。なお、この一連の業務の流れを電子化・自動化したものをワークフローシステムと呼びます。
ワークフローで業務の流れを「見える化」することで、以下のようなメリットがあります。
ワークフローに規定、申請書類やマニュアルを紐付けることで、どの書類が必要なのか、困ったときはどのマニュアルを見るべきかが一目で分かります。その結果、申請の度に書類を探したり、記入方法について担当者や該当部署に確認する必要がなくなるため、業務効率化につながります。
ワークフローがしっかり機能することで、「誰が」「どのような場合に」「どの書類を使い」「誰の承認をもらい」「どこに提出すれば」業務が完了するのかが明確化されます。業務のステップはもちろん、役割分担がはっきりするため、スムーズに業務が進みます。
ワークフローで業務の流れを誰が見てもわかりやすくすることで、「申請書の種類を間違えてしまった」「○○から承認をもらい忘れた」などのミスを最小限に抑えられます。また、これまで担当者によって異なっていた業務フローが統一されることで、業務のスピードやクオリティーが一定に保たれるようになり、業務効率化につながります。業務効率改善については3章で詳しく解説します。
ワークフローを作成する際には、「何の目的で、誰がスタートし、誰が判断や処理をし、誰が完了させるのか」を簡潔に図式化する必要があります。
「誰が」を明確にするためにレーンで区切り、関連部署名や役職名などを記載します。そして各作業手順の詳細を併記するための「業務詳細」のレーンを作ります。
記号を使って意思決定のプロセスを表現します。使用記号の例を記載しておき、記号の意味を明確にすることで誰が見てもわかりやすいワークフローになります。基本となる記号は「スタート・ゴール」「プロセス」「判断」の3つです。
【スタート・ゴール】 |
業務の開始と終了を表す記号です。フローの始まりと終わりに配置し、必要となる作業を簡潔に記載します。 |
【プロセス】 |
さまざまな作業や手続きを表す記号として使い、作業内容を簡潔に記載します。詳細や注意事項はは右側の業務詳細欄に記載します。 |
【判断】 |
YesやNoなどの判断を表す記号です。下側の頂点と右側の頂点から矢印を使ってYesまたはNoの次の工程に誘導します。 |
各記号内に番号をふり、業務内容を簡潔に記載します。詳しい業務内容は対応する番号と共に業務詳細欄に記載します。
ワークフローの各作業に関連する規定、申請書類、マニュアルなどのリンクを貼ったり、保存場所を明記したりすることで、その業務を行っている最中に関連部署に問い合わせをしたり書類を探したりする手間が省けます。手元にワークフローさえあれば業務がスムーズに進むようになります。
ワークフローから無駄なプロセスを見つけた場合は、以下のポイントを見直して業務効率の改善を目指しましょう。
申請書、稟議書、会議資料などのフォーマットを見直すことで、書類作成の時間が短縮されます。不必要なページや項目を洗い出して削除することで、業務の流れがスムーズになり、紙の使用量削減にもなります。
「承認が必要な部署・担当者が多すぎて完了まで時間がかかる」「承認できる上司が少なすぎて業務が滞ってしまう」といった場合は、承認者の人数を調節する必要があります。承認の目的が曖昧で申請が否決されることがほとんどないという場合は、事後承認を認めるという方法もあります。
書類は保管責任者を決めて、重要度によって保管年数を変えたり、スキャンして保管するなどの工夫をすると、書類が膨大に増えることを防ぎ、紛失のリスクも少なくなります。
さらなる業務効率改善を目指す場合、ワークフローシステムの導入も選択肢として挙げられます。ワークフローには以下のような導入メリットが期待できます。
ワークフローシステムでは申請に必要な書類を電子化しクラウド上で一括管理するので、担当者から承認者まで自動で業務が進むだけでなく、オフィスにいなくても申請・承認作業が行えるため、時間や場所を選ばないスムーズな承認作業が可能になります。また、誰がいつ承認を行ったか日時を記録できるため、書類偽造などの不正防止にも役立ちます。
業務手順を図式化し、必要な書類やマニュアルを一箇所にまとめることで業務効率化を叶えるワークフロー。ワークフローや関連書類の格納場所としてオンラインストレージを活用すると情報の検索や共有がよりスムーズになりそうです。さらに、ワークフローを作成する過程で、業務の無駄の発見・改善につながるという副次的な効果も期待できます。業務の見直し・効率化にワークフローを役立てみませんか。
※業務効率化の方法については業務効率化の手法と事例5選 役立つツールもご紹介をご覧ください。
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