AIでなくなる仕事・なくならない仕事は? 活用事例も紹介

AI(人工知能)とは、人間と同じように経験から学習することで、認識や推論などを行うコンピュータープログラムです。生活が便利になる反面、AIの進展により多くの仕事がAIに置き換えられるといわれていることから、自分の仕事の行く末を不安に感じている人も多いのではないでしょうか。
一方で、AIは既にさまざまな業界で実用化されています。今回は、AIが私たちの仕事にもたらす変化や、AIを仕事に活用している事例を紹介します。

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入門編

目次

    AIでなくなる仕事・なくならない仕事

    AIの進展によってなくなる仕事・なくならない仕事にはどのようなものがあるのか解説します。

    オックスフォード大准教授の論文で話題に

    「AIによってなくなる仕事・なくならない仕事」に関する問題は、2014年に発表された「雇用の未来─コンピューター化によって仕事は失われるのか」という論文によって話題となりました。イギリスのオックスフォード大学でAIなどの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授が、カール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した論文です。その内容は「今後10年から20年のうちに、労働者の約半数が機械に置き換えられる可能性がある」というショッキングなものでした。論文の中で取り上げられた、今後10年で消える職業と消えない職業はテレビや雑誌で大きく取り上げられ、話題になりました。

    AIでなくなる仕事は?

    AIによってなくなる可能性の高い仕事は、パソコンで業務を行う事務員や、データ入力作業員です。

    ■機械に置き換えられる可能性の高い仕事

    • 事務員
    • 受付係
    • レジ係
    • データ入力作業員
    • 電話オペレーター など

    自己学習能力に優れているAIはデータ分析に活用でき、分析・予測を繰り返すことで精度が向上するため、パソコン内で情報を集めて完結できる作業に導入しやすいという特徴があります。企業の業務効率化や人手不足解消に対するニーズは高く、機械に置き換えられる可能性が高いといえます。

    AIでなくならない仕事は?

    反対に、AIが台頭してもなくならない可能性が高いといわれている仕事は、複雑な作業を臨機応変に行う医師や教員です。

    ■機械に置き換えられる可能性の低い仕事

    • 医師
    • 看護師
    • 教員
    • 経営者
    • 聖職者 など

    AIはさまざまな業務を同時に進めることや、複雑な対人折衝などの業務を行うことは難しいことから、人間の能力が必要な仕事はAIが普及しても残るといえます。ただし、どのような業種であれAIが導入されていく可能性は高いため、今後はどのようにAIを活用して働くべきかについて考える必要があるでしょう。

    今はAIを仕事に「活用」する時代

    AIの発展によって仕事がなくなるという論文の発表により、かつては心配する声もありましたが、今はAIをうまくビジネスに活用して業績を伸ばす会社が増えています。さらにパソコン・スマートフォン・タブレットなどの端末が広く普及したことで、AI活用の場はますます広がりました。個人でもAIを活用できるようになり、新たな仕事やサービスが生まれることが期待されています。

    【業界別】AIを仕事に活用した事例紹介

    今後の働き方の鍵を握るAIですが、実際の仕事の現場ではどのように活用されているのでしょうか。ここではすでにAIの活用が始まっている業界の主な事例について紹介します。

    不動産業界

    不動産業界では、数千万件におよぶ不動産のビッグデータとAIを組み合わせたプログラムで、賃料・物件の査定や投資分析にAIを活用しています。また、これまで不動産の販売価格は、国税庁や国土交通省から公表される価格を基準に、立地や築年数などの要素を総合的に考慮した上で決められていましたが、ここにAIを導入すれば、人間の勘に頼らない公平な評価も可能になります。

    医療業界

    医療業界では、画像解析・自動診断などの各分野でAI活用の研究開発が進んでいます。CTやMRI画像からがんを検出する「画像解析AI」、問診・検査時の対話にAIを活用することで診療支援を行う「自動診断AI」などがあります。主に医師の診断を補助するツールに利用されていますが、同時に患者の負担を軽減することにもつながるため、さまざまな医療機器にAIが導入されています。

    金融業界

    金融業界では、日本株のトレーディング業務において企業の株価がどのような値動きをするかを予測する際にAIが活用されています。また、不公正取引の監視や売買審査業務などをAIが行う動きがある他、投資信託に関する相談を自動応答で対応するチャットボットサービスを導入するなど、幅広い業務でAIを活用しているのが特徴です。

    農業

    農業では、作物の育成や収穫計画策定にAIを活用しています。例えば農園や温室で、自律的に移動するロボットに水やり・肥料の散布をさせたり、作物や土壌の状態を解析をしたりといった業務にAIが活用されています。また、センサーとカメラによってAIが作物の色や形を認識して収穫時期を判断するという活用例もあります。農業分野では深刻な人手不足を補うために、今後も多岐にわたるAIの活用が期待されています。

    サイバーセキュリティ業界

    サイバーセキュリティ業界では、未知の脅威に対する予測を行うためにAIが活用されています。インターネットを介したサイバー攻撃は日々高度化するため、対策を立てても新たな手法で攻撃されるといったいたちごっこの状態です。こうした現状を打破するためにもAIの学習機能は役立ちます。

    教育業界

    教育業界では、生徒ごとの学習状況や弱点・強みを把握して問題を出題するAI教育システムがあります。生徒全員の膨大な情報の中から個人の傾向を分析することができるAIは、多忙な教師の手助けとなります。もちろん教師の負担を減らすことができるばかりでなく、生徒の学習能力の向上にも大きく寄与する点で注目されています。

    小売業界

    小売業界ではマーケティング分野でAIが活用されています。カメラで来店客の顔を認識し、商品を手にとったり棚に戻したりといった購買にいたるまでの行動を分析することで、売り場の改善に役立てたり、膨大な商品情報を管理しいつ何をいくらで売れば売上が最大化されるかという価格戦略の決定にも活用されています。さらに、発注システムにAIを導入し、過去の販売実績や天気予報などから最適な発注数を算出している事例もあります。

    AIとRPAははどう違うの?

    AIと混同されがちなものとしてRPA(Robotic Process Automation)が挙げられます。AIは自己学習能力があることから、大量のデータから規則性を見つけて情報を総合的に予測・判断する「判断ベース」での業務最適化を得意としています。それに対し、RPAは「ルールベース」であり、機械的・定型的な入力やデータ照合などの作業を自動化してくれることが特徴です。
    AIとRPAの違いについて詳しくはこちらの記事で紹介しています。

    まとめ

    AIに置き換えられることでなくなる仕事は、事務員やデータ入力作業員のようなパソコンを使った事務処理業務といわれています。しかしAIは多くの業界で業務効率化に活用できるという点で利益をもたらしています。これからさらに技術が発展していくことを踏まえると、AIに仕事を奪われると考えるよりも、AIを活用することで新しい仕事やサービスを展開するチャンスになると捉えることが重要です。

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