現在多くの企業では、業務効率化のためにICTを始めとしたさまざまな技術が導入されています。AI(人工知能)もそのうちの一つです。 今回は、AIとはどんな技術でどんなことができるのか、企業が導入することによってどんな業務の効率化が図れるのか、事例を交えてご紹介します。
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現在多くの企業では、業務効率化のためにICTを始めとしたさまざまな技術が導入されています。AI(人工知能)もそのうちの一つです。 今回は、AIとはどんな技術でどんなことができるのか、企業が導入することによってどんな業務の効率化が図れるのか、事例を交えてご紹介します。
まずは、AIとは何なのかを確認しておきましょう。人工知能学会によると、人工知能の研究には2つの分野があるそうです。第一に人間の知能を持つ機械を作ろうとするもの、もう一つ人間が知能を使ってすることを機械にさせるものです。そして、現在行われているAIの研究は後者がほとんどです。
人間のすることを機械に行わせる方法は、「推論」と「学習」の2つです。推論は知識をもとに新しい結論を得ることを、学習は情報から将来使えそうな知識を見つけることを指します。この行為は「機械学習」とも呼ばれます。
AIは機械学習を行うことにより、人間の思考や判断に近い行動をするようになると考えられています。
近年AIの活用が注目されている理由は、業務の効率化が強く求められていることにあります。
少子高齢社会を背景とした労働力不足、働き方改革の推進などを背景として、今や業界や職種、企業の規模を問わず、業務を効率化する必要があります。企業だけでなく、国や自治体も同様です。
また、業務効率化は生産性の向上にもつながります。日本企業が行っている業務には、2021年の今でも手書きやFAXを主体として行っていたり、膨大な人的コストをかけて行っていたりするものも多く、生産性の向上を妨げています。
これらの業務について、例えば手書きの伝票を画像認識AIで読み取り効率化させる、議事録やメモの作成を音声認識AIで行うなどの方法で効率化できます。
ここでは、すでにAIを導入し、活用アイデアによって効率化が進んでいる業界や業種、業務のモデル事例をご紹介します。
問い合わせ対応などを含むオペレーター業務は、AIによる効率化が盛んな業務のひとつです。なぜなら、問い合わせ内容の中には、商品に対することなどすでに決まり切った内容も多いからです。
例えば、問い合わせに自動で応答し、テキストチャット形式回答するAIチャットボットを活用することで、コスト削減につながるだけでなく、頻度の多い問い合わせに高精度かつ迅速な回答を返せるようになります。
頻度の多い問い合わせはAIチャットボットが対応し、複雑な問い合わせには人が対応するなどの使い分けもできます。
営業事務もAIに向いている業務の一つです。
購入履歴や顧客リストなどからデータを抽出し、営業活動に活用するケースは多いですが、この作業は多くの件数を扱うため膨大な時間がかかり、正確性も要求されます。こちらをAIに任せることで、正確で素早いアウトプットが期待できます。
これにより、営業パーソンは交渉やクロージングなどのコア業務に集中できます。
AIは人事業務に活かすことも可能です。例えば、採用の分野では履歴書や職務経歴書、エントリーシートの審査に利用可能です。
また、人事評価を行ったり、評価内容やヒアリングを分析して離職防止に役立てたりと、高度な分野にも利用できます。
人事業務は個人の能力に左右される印象が強い分野ですが、AIが担当できる分野は任せてコンサルティングや制度設計などの高度な分野に集中する、という利用方法が考えられます。
製造業やメーカー、物流などの倉庫業務の分野でもAIが導入されています。AIによって、入出庫作業・受注処理・検品業務などの膨大なアイテムを取り扱う業務を大幅に自動化できるようになりました。
例えば、これまでは入出庫や受注の際に製品在庫をシステムに手動で入力していたところを、画像認識AIの導入により自動化し、時間を短縮できるようになりました。また、これらの業界ではまだ手書きの伝票を利用しているところもありますが、手書き文字を自動認識できるAI-OCR(DX Suiteなど)を導入し、効率化している企業もあります。
また、配達ルートを最適化して配送業務を効率化する、危険運転を予測してアラートを出すなどを例としてAIが導入されており、倉庫の内外で力を発揮しています。
今回はAIによる業務効率化と、実際にAIが活用されている事例の詳細などをご紹介しました。
AIの仕組みや活用事例を見て、「RPA」と似ていると感じる方もいたかもしれません。ロボットを構築し、業務フローを覚えさせて仕事を自動化するRPAは、業務の内容やルールを人が覚えさせる必要があるという特徴があります。
また、RPAは定型業務や単純業務が得意という特徴もありますが、これらの分野はAIは不得意としています。展示会や導入事例などで知識を深め、AIとRPAの違いや得意分野を十分に理解した上で導入し、業務の効率化を図りましょう。
日本の企業へのAI導入率は諸外国に比べて大きく遅れをとっています。言い換えれば、日本企業はAIの潜在的な需要が高いということです。
また、AIの研究は日々進化しており、これからはさらに高度な業務を行えるという予測があります。そのため、今AIを導入すれば、業務を効率化できるだけでなく、最新技術のキャッチアップにもつながります。
ぜひAIを導入して業務効率化を行い、将来到来する新技術に備えましょう。
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