「働き方改革関連法」の施行が始まり、企業の大小を問わず、業務効率の改善と生産性の向上が求められています。しかし「業務改善」と一言で言っても、具体的にどんなことを行えばいいのかわからない企業も多いようです。ここでは企業の生産性を向上させるための業務改善のアイデアやツールを紹介します。
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「働き方改革関連法」の施行が始まり、企業の大小を問わず、業務効率の改善と生産性の向上が求められています。しかし「業務改善」と一言で言っても、具体的にどんなことを行えばいいのかわからない企業も多いようです。ここでは企業の生産性を向上させるための業務改善のアイデアやツールを紹介します。
まずは業務改善のために必要となるプロセスについて解説します。
まずは業務にかかる時間やコストなどを明確にし、現状を把握します。業務の流れを図や表を使って可視化したり、担当者にヒアリングを行ったりして、問題点や改善点の洗い出しを行いましょう。
続いて問題点を分析し、その原因を探っていきます。一見関連のない業務でも、問題のボトルネックが共通であることも珍しくありません。固定概念を捨て、フラットな観点で問題の原因を掘り下げましょう。
業務改善の目的や目標を設定します。「1年後に、◯◯の業務にかかる時間を◯◯%削減する」など、期限を設け、具体的かつ現実的な内容にすることが業務改善の成功につながります。
設定した目的や目標を達成するための手段を考えます。RPAなどの業務効率化ツールの導入や代行業者の利用なども有効です。
最後に、解決策の導入に向けた段取りを考えます。目標達成までの各フェーズのゴールを決め、タスクを細分化、いつまでに誰が何をするかなどを具体的に決め、必要なコスト(ヒトモノカネ)を見積もります。導入後はPlan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)というPDCAサイクルを回し、継続的な改善を図ることも重要です。
業務改善のプロセスで役に立つさまざまなアイデアについて解説します。
さまざまな方法で業務を「見える化」。業務の属人化を防いだり、ムリムダムラの発見に役立てます。
日々繰り返される業務をマニュアル化(=標準化)することで、業務の属人化を防ぎ「誰が主体となっても同じ成果が出る」状態を目指します。具体的にはどのような時に必要な業務か、必要な書類は何か(定形フォーマットはあるのか)、どのような手順で進めるかについてまとめます。マニュアル化を徹底しておくことで、入社や異動による引き継ぎ業務や、発生頻度の低い業務にもスムーズな対応が可能になります。
各業務の手順を図式化して、プロセスを可視化します。マニュアルと同様の効果が期待できますが、図式化することで業務の全体図を視覚的に把握することができるため、業務の無駄が発見しやすいという特徴もあります。
社員のスキルを可視化し、それを生かせる業務を割り振ることで、生産性の向上が期待できます。当然ですが、社員には一人一人できることや習熟度、得意不得意に差があります。業務で必要となるスキルを細分化し、その習熟度を一覧化することで、誰にどの業務を担当させるべきかが一目で分かるだけでなく、能力開発にも役立てることができます。
月ごとに着手中の業務や今後の予定を担当者別に張り出すストア管理をすることで、それぞれの業務量や進行具合を可視化できます。業務量の全体バランスも確認できるため、手が空いた社員がストア管理ボードをチェックして、業務量が多い社員のサポートに回ることもできます。また、月ごとの業務量を管理することで、忙しい時期とそうでない時期が明確になり、その差が少なくなるよう人的リソースなどを調節することができます。
業務の流れを仕組み化・自動化することでムダをなくし、コア業務に注力するための時間を生み出します。
業務にまつわる申請から決裁までをワークフローシステムで自動化します。申請書を探したり、担当者に承認手続きを依頼したりすることなく、スムーズに申請から決裁までが完了し、大幅な効率改善になります。
データ入力や照合などの定形業務を自動化してくれるRPAを活用すれば、業務効率化はもちろん、ヒューマンエラーをなくすこともできます。Excelマクロやそれを実行するプログラミング言語であるVBAと比較すると、RPAは制御できるアプリケーションやソフトウェアの幅が広いことや、専門知識がなくても比較的開発しやすいといった特徴があります。
日々の業務で大量に消費される印刷物。下記のような方法で電子化すれば、印刷コストの削減や業務効率の改善につながります。
アイデア2で紹介した「ワークフローシステム」は、書類を電子化して決裁を自動化するため、紙の申請書、決裁書が不要です。わざわざ申請書を印刷して記入、確認・承認して次の担当者に回すという手間がなくなります。また、決裁済み書類の保管場所に困ることもなく、紛失の心配もありません。
OCRとは、画像内の文字情報を読み取り、文字コードに変換するシステムです。紙でしか残っていない古い記録も電子化でき、データの検索や共有がスムーズになります。また、アイデア2の「RPA」と組み合わせることで、各種紙帳票の読み取り~入力業務の効率を大幅に改善することができます。下記の資料では、AI-OCRの概要についてまとめておりますので、確認してみてはいかがでしょうか?
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データをクラウド上で保管できるオンラインストレージを利用すれば、時間や場所を選ばず、必要な書類や資料にアクセス可能なので、印刷コストの削減やペーパーレス会議の実現に役立ちます。
業務改善の際には、自社に合ったツールの導入が大きな戦力となります。
※業務改善ツールについて詳しくは役立つ業務効率化ツール15選 RPAとの組み合わせでさらに躍進をご覧ください。
実際に導入する上では、下記のポイントに注意してください。
導入を検討しているツールが自社の業務改善のために有効なのかどうかをしっかり見極めましょう。ツールの使い勝手や導入範囲を確認し、目的達成までの計画と照らし合わせてみましょう。
すでに業務改善ツールを利用している場合、新規で導入するツールと目的や機能が重複していないか、データの連携はできるのかをチェックしましょう。ツール同士の互換性がないと、かえって非効率になる場合もあります。
業務改善ツールの種類によっては、一定の業務量がない限り採算が合わないこともあります。ツール導入にどのくらいのコスト(初期費用、ランニングコスト)がかかるのか、それに対してどのくらいの時間や費用を削減できるかを正しく把握し、確実な業務改善を目指しましょう。
業務改善には、さまざまなアイデアやツールがあります。それぞれの特徴を押さえ、自社の課題に合った解決方法で業務改善を進めましょう。下記ではRPAの導入事例をまとめております。自社に近い他社事例やどのように導入していったかを確認してみてはいかがでしょうか?
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